日本で働く外国人向けの日本語研修ではどのような教材を使用していますか?日本語学校でよく使用する教科書は生活場面が多いため、ビジネス日本語を学べない可能性があります。この記事では特に業界に特化して書かれている教材の一例をあげています。この記事の教材が全てではないですが、「こんな教材もあるんだ~」ということを知って頂き、次からの研修の教材探しのきっかけになればと思います。
今回は、全11種類(①~⑤製造業、⑥~⑪介護業)の教材を取り上げました。紙のテキストとWeb上で閲覧ができる教材があります。
製造業
紙テキスト
ゲンバの日本語シリーズ(スリーエーネットワーク)
製造業のオフィスや工場での日本語を想定した教材となります。Web教材や別売りの単語帳もあり、使い勝手のいいシリーズです。
①『ゲンバの日本語 基礎編 働く外国人のための日本語コミュニケーション』
・レベル:初級向け(『みんなの日本語 初級Ⅰ』レベル)
・無料Web教材あり
②『ゲンバの日本語 応用編 働く外国人のための日本語コミュニケーション』
・レベル:初級向け(『みんなの日本語 初級Ⅱ』レベル)
・無料Web教材あり
③同じゲンバの日本語シリーズの単語帳シリーズもあり、3シリーズが出ています。
・製造業 ・IT ・建設/設備
Web教材
④初級:山梨県にある富士日本語学院のYoutubeとなります
1分41秒の短い動画ですが、初級者向けで一番基本である単語のイメージをつけることができます。(例:きず、こんぽう、ふりょうひん)
⑤上級:厚生労働省の外国人労働者向け安全衛生教育教材
安全に仕事ができるように、厚生労働省が作成した約19分の動画となります。”整理・整頓、熱中症、安全靴”などのキーワードが出てきます。言語的には高難度な単語も使用しており、上級者向けです。字幕(自動生成のため、誤りあり)をつけたり、再生スピードをゆっくりにするなど、レベルに合わせて見てみましょう。日本語教師と共に見ることをおすすめします。
介護
介護のテキストはベトナム語翻訳付きの教材が多いです。教材ごとの特徴だけでなく、学習者の母語に応じて翻訳言語も確認しましょう。
紙テキスト
はじめて学ぶ介護の日本語(スリーエーネットワーク)
こちらは3冊のシリーズになっており、初級から中級までがそろっています。
⑥『はじめて学ぶ介護の日本語 生活知識とコミュニケーション』
・レベル:初級~中級前半
・無料Web教材あり
・翻訳:日本語のみ
⑦『はじめて学ぶ介護の日本語 基本のことば』
・レベル:初中級~中級
・無料Web教材あり
・翻訳:英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語
⑧『はじめて学ぶ介護の日本語 基本の知識』
・レベル:中級
・無料Web教材あり
・翻訳:日本語のみ
⑨『外国人のためのやさしい介護 実践にほんごコミュニケーション』 (アスク出版)
介護知識のあまり無い方におすすめです。介助の基本的なポイントがわかるテキストになっています。
・レベル:初級 (N4)
・無料Web音声あり
・翻訳:英語、ベトナム語
⑩『外国人のための 会話で学ぼう!介護の日本語 第2版』(一般社団法人国際交流&日本語支援Y)
会話場面はマンガで表現されており、事例のイメージがしやすいのが特徴です。
・レベル:初級 (N4)
・無料Web音声あり
・翻訳:英語、インドネシア語、ベトナム語、ミャンマー語
Web教材
⑪ にほんごをまなぼう (日本介護福祉士会)
日本介護福祉会が提供しているサイトになります。会員登録は必要ですが、無料で日本語と介護の日本語が学習がWeb上で可能です。
介護場面での語彙と声かけのWeb教材である『介護の日本語』はPDF版が公開されており、11言語の翻訳版まで揃えられています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。職場環境や学習者の母語などに合った、最適な教材が見つかることを願っております。
Vol.2では、コンビニ業や建設業を取り上げる予定です。
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