日本人の当たり前は外国人にとっての当たり前ではありません。
「できるだけ早く」「きりのいいところで」などは、明確な数値や時間を言わないと伝わりません。
「いいです」「大丈夫」という言葉はYes/Noの両方の意味があるため、反対の意味で伝わる可能性もあります。
異文化に関する研修を通して、ミスコミュニケーションのない会話方法を学びます。
異文化研修
異文化体験
トランプや絵カードを用いて異文化を体験します。様々な考えがあることを学び、異文化の理解を深めます。
異文化理解
日本は世界一のハイコンテクスト文化の国といえます。ハイコンテクスト文化の場合、前提の知識や暗黙の了解をお互いが理解している必要があります。ローコンテクスト文化で育った人とのコミュニケーションや、宗教が異なる文化を学習し、お互いの考えを尊重できる職場環境を作ります。
また、ハイコンテクスト文化では明確な表現をしないことがあります。曖昧な表現を避け、誤解が生まれない表現が必要です。
使用しがちな曖昧な表現
曖昧な表現 | 修正例 | 曖昧な理由 |
---|---|---|
できるだけ早く | 明日の17時までに | 人によって解釈が異なる。具体的な日・時間を伝える。 |
時間があったら | ○○の仕事の後にやってください。 | 人によって解釈が異なる。優先順位を明確にする。 |
日程がタイト | 納期がいつもよりも短い。 | 外来語は人や文化によって意味や解釈が異なる。日本語を使用する。 |
適宜ホウレンソウをしてください | 毎週月曜と水曜日の朝10時に、状況を教えてください。 | 「適宜」はとても難しい単語であり、かつ、曖昧な表現。具体的に指示する。 |
外国人に伝わる日本語 (やさしい日本語)
やさしい日本語は阪神淡路大震災がきっかけに生まれました。日本に生活する外国人が希望する情報発信言語は、英語でも中国語でもなく“やさしい日本語“という調査結果が出ています。外国人に伝わる日本語を日本人が学び、お互いに歩み寄ったコミュニケーションを目指します。
やさしい日本語の例
通常の日本語 | やさしい日本語 | 理由 |
---|---|---|
面談しましょう | 会って話しましょう | 熟語は避けましょう |
現金しか使えません | 現金だけ使えます(カードはだめです) | “~しか”は混乱を招きます |
この研修は受けないわけにはいきません | この研修は必ず受けます | 二重否定は避けましょう |
やさしい日本語はすでに様々なメディアに広がっています。一般社員のコミュニケーションだけでなく、情報発信や緊急時の資料等、様々な場面でも必要な知識となっています。外国人が所属する部署だけでなく、全社的にやさしい日本語を学び、日本語や英語が苦手な人でも働きやすい環境を作りましょう。
例1:NEWS WEB EASY (外国人、小学生、中学生向けのやさしい日本語で書かれたニュースです)
例2:横浜市ホームページ (自治体にもやさしい日本語を用いたホームページがあります。)